認定低炭素住宅

lowcarbon-640x394

低炭素住宅は、二酸化炭素排出量の著しい都市において、低炭素化をはかるために制定された「エコまち法」を背景としてできた住宅です。一般の住宅よりも暮らしの中で使う電気やガスの量を少なくすることで二酸化炭素の排出量を抑えるという、工夫の凝らされた住まい。
認定低炭素住宅は長期優良住宅と同じく国から認められた認定住宅です。定められた省エネルギー性の基準をクリアすれば認定を受けられるため、長期優良住宅と比べると、比較的認定を取りやすい住宅といえます。

エコまち法とは

正式には都市の低炭素化の促進に関する法律 といいます。都市機能を集約し、公共交通機関の利用促進、エネルギーの有効利用、そして都市の低炭素化を図ることを目的として平成24年12月に施行されました。指定の区域において、低炭素化のための措置が講じられた建築物の新築等であると所管行政庁の認定を受けた建築物については、税制の優遇や容積率の緩和等を受けることができます。

認定低炭素住宅にするための3大要件

①市街化区域等の住宅であること。

都市部の低炭素化を目指しているため、住まいの所在地が市街化区域などであることが前提となります。

市街化区域

市街化区域とはどのような区域?

各市町村は、無秩序な都市開発を防ぐために、都市計画の中で市街地化の可・不可を区域ごとに線引きしています。そこで市街地化が許可されている区域のことを市街化区域といいます。
市街化区域等に該当しているか否かは市町村もしくは工務店にお尋ねください。

②平成25年省エネルギー基準を満たしていて、かつ一次エネルギー消費量を10%削減すること。

まず、断熱材や窓、玄関ドアなどの性能が、平成25年に新しく施行された省エネルギー法で定められた基準値をクリアしていることが求められます。それと同時に暖房・冷房・換気・照明・給湯の5項目の一次エネルギー消費量が、同じく省エネルギー法で定められた基準の10%以上削減されていることも必要です。
これらは一棟一棟、きちんと計算して求められます。

一次エネルギーってなに?

自然界に存在するままの状態で得られるエネルギーを指します。つまり石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料や水力、太陽光、地熱などの自然エネルギーのことです。一方で電気や都市ガスなど、一次エネルギーを加工・変換して得られるエネルギーを二次エネルギーと呼びます。

③低炭素化に資する措置である8項目から2項目以上を採用すること。

低炭素化、つまり二酸化炭素の排出量を減らしていくために効果的だと国が定める8つの項目の中から、2つ以上実施することが求められます。
難しそうに見えますが、たとえば木造住宅にして、節水トイレを取り付ければ2項目をクリアできることになります。

8項目
8項目02
優遇措置
優遇措置02

所得税の控除

金融機関等から返済期間10年以上のローンを組む場合に、居住の年から10年間、住宅ローン残高の1%が所得税額から直接控除されます。認定低炭素住宅の場合、一般住宅に比べて最大控除額が100万円優遇されています。(平成26年4月~平成29年12月に居住する場合)
ローンを組まない場合も、所得税が最大65万円控除されます。(1年間のみ。平成31年6月までの措置。)
所得税から控除しきれない場合は控除限度額の範囲内で住民税から控除することも可能です。






控除限度額(年末ローン残高)5,000万円
控除率1.0%
控除期間10年間
最大控除額500万円
控除限度額×控除率×控除期間
住民税からの控除上限額13.65万円
※所得税で控除しきれない場合に住民税から控除される上限額
※「2015年度税制改正大綱 住宅ローン減税の適用期間延長」より。

登録免許税の減税

住宅の登記の際に必要な登録免許税が、一般の住宅よりも優遇されます。

ローン金利の優遇

認定低炭素住宅であれば、長期固定金利住宅ローン【フラット35】を申し込む際に、借入金利を当初10年間0.3%引き下げる【フラット35】S のAプランの適用が可能となります。さらに平成28年1月29日までに申し込むと、0.6%の引き下げを受けることができます。(予算が上限に達し次第、期限内であってもその時点で終了となるので注意が必要です。)

具体的にはこんな住まい!

低炭素の家

長期優良住宅と認定低炭素住宅との違いは?

長期優良住宅は、良質な住宅が長期にわたり良好な状態で住み続けることができるよう、耐久性・耐震性などが求められます。 これに対し、認定低炭素住宅は省エネに特化し、より高い省エネ性能が条件です。より長く住み続けられる住宅として認定されているのが長期優良住宅、よりエコな生活を送ることができるのが認定低炭素住宅という考え方になります。また認定低炭素住宅は省エネに特化しているため、長期優良住宅と比べてかける費用を抑えることができます。それでいて同じような優遇措置を受けることができるため、お求めやすい住まいといえます。

 認定低炭素住宅長期優良住宅
耐震性能等級2以上
劣化対策等級3
維持管理対策等級3
断熱性能改正(H25年)省エネ基準改正(H25年)省エネ基準
一次エネルギー消費量性能改正(H25年)省エネ基準より10%削減
低炭素に資する措置2項目以上選択
区域の制限市街化区域等のみ
住戸面積
居住環境
維持保全計画
資金計画
中間・完了検査
※●は適用条件がある項目です。